HSP(繊細さん)とは?

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン)の略です。日本では「繊細さん」とも言われています。
HSPは「病気」ではなく「気質」を表す名称で、一般的な人より繊細で敏感な人を指し、5人に1人がHSPであると言われています。

何を隠そう、私自身もHSPであるし、このWebサイトを運営しているメンバー全員がHSPです!
自分の経験や参考文献を踏まえ、この記事では「HSP(繊細さん)」の特徴について説明します。

目次

HSPの定義(どんな人がHSP?)

HSPとは

HSPとは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した「感受性が強い性質を持つ人」のことです。
前述したように「Highly Sensitive Person」の略であり、繊細さ(Sensitive)が一般的な人より高い人という意味合いで、日本では「繊細さん」と訳されることが多いです。

自然の豊かさなどを人よりも感じやすいのもHSPの特徴の一つ

学術的にはこの「繊細さ」を「感覚処理感受性」と呼ばれる心理学概念で定義しており、物事を進めるときに一度立ち止まって考えるような心的特性がある方は、この感覚処理感受性が高いとされます(感覚処理感受性の測り方は後述します)。

HSPの方は「感受性の強さから人よりも感じ取るものが多い」ため、「人混みの場所に行くと疲れる」というデメリットから、「ちょっとした相手の変化に気づく」のようなメリットを特性として持つ傾向があります。
HSPの方が感じやすい例を挙げてみます(出典:飯村周平著『HSPの心理学』(金子書房)を参考に一部改変)。

  • 他人の気分に左右されやすい
  • 精神的にどっと疲れやすい日がある
  • 忙しい日々が続くと、暗い場所や一人になれる場所を好む
  • 美術や音楽に深く感動しやすい
  • 繊細な香り・味・音を好む
  • 一度にたくさんのことが起きると不快になる
  • 大きな音や光に敏感・不快になる

HSPだからといって一概にこうだ!というわけでもなく、HSPの中にもいくつか種類があったり、HSPだけど当てはまらない点もあると思います。HSPであるかどうかという0か1かよりも、HSP気質が強いか弱いかという0~100の間で受け止めるとよいでしょう。

HSPの傾向と聞いて「私は病気ではなくHSPである」と判断しないようにご注意ください。
なんらかの発達障害や精神疾患の可能性のある場合は、正しく治療を受けていただきたく、当Webサイトも情報の一つとして受け止めていただければ幸いです。

HSP気質を表す4つの特徴

HSPである「繊細さ」は「感覚処理感受性が高い」と説明しました。
この「感覚処理感受性」を表す特徴には下記4つがあります。

  1. 物事を深く処理する(greater Depth of processing)
  2. 刺激を受け取りやすい(ease of Overstimulation)
  3. 共感力が高い(increased Emotional reactivity and Empathy)
  4. 些細な点に気づく(greater awareness of environmental Subtitles)

英語での頭文字を取って「DOES(ダズ)」と呼ばれ、これら4つの特徴を持つ人を一般的にはHSPであると説明されます。
各特徴をもう少し具体的に見ていきましょう。

物事を深く処理する(greater Depth of processing)

「物事を深く処理する」という点では、主に下記が特徴として挙げられます。

  • 絵画や写真を鑑賞する際に、色や構図の微妙な変化に注意を向ける。
  • 文章を読むときに、文脈や感情の裏にある意味を深く理解しようとする。
  • ドラマを見ると、細かい演出やキャラクターの微妙な表情に敏感に反応する。

刺激を受け取りやすい(ease of Overstimulation)

「刺激を受け取りやすい」という点では、主に下記が特徴として挙げられます。

  • 騒音のある環境では、周りの音が耳に入り集中力の低下やストレスを感じる。
  • 明るすぎる照明の下やモニターを見たりすると、視覚的な刺激が過多になり疲れや頭痛を感じる。
  • 強い香りのある場所にいると、嗅覚による刺激がオーバーロードに感じられる。

共感力が高い(increased Emotional reactivity and Empathy)

「共感力が高い」という点では、主に下記が特徴として挙げられます。

  • 悲しい映画や本を見たり読んだりすると、登場人物の感情に強く共感し涙を流す。
  • 周囲の人々が喜んでいると、その喜びや幸せを自分自身のように感じる。
  • 他人が困っていると、その苦しみを深く理解し同情し、助けを提供したくなる。

些細な点に気づく(greater awareness of environmental Subtitles)

「些細な点に気づく」という点では、主に下記が特徴として挙げられます。

  • 部屋の温度や湿度の微妙な変化に敏感に気づき、快適な環境を求める。
  • 他人の微細な表情や体言の仕草に注意を向け、そこから感情や意図を読み取ろうとする。
  • 環境の変化によって気分や体調が影響を受けるため、居心地の良い場所や落ち着ける空間を求める。

以上のようにHSP気質を表す4つの特徴を見てきましたが、もちろん人によって強弱もあり、自分は全部満たしていない!と思う方もいるかもしれません。
前述した通り、HSP気質がどれくらいあるかという観点でご理解いただくとよいでしょう。

HSPは病気ではない

HSPは病気ではありません(精神医学上での概念ではなく、心理学上での概念)。
HSPは環境や性格といった後天的なものではなく、生まれ持った気質であるとされています。

ただ冒頭で注意書きした通り、HSPの傾向と聞いて「私は病気ではなくHSPである」と判断しないようにせず、なんらかの発達障害や精神疾患の可能性のある場合は、正しく治療を受けるよういただきたく、HSPについては情報の一つとして受け止めていただければ幸いです。

HSPの原因は?

HSPの「繊細さの原因」は、脳の「扁桃体」の働きが生まれつき強いからとされています。扁桃体とは、不安や恐怖を感じたときに生命を守るように活動する脳の部位のことです。

HSPには強みがある

HSPはストレスを抱えやすい面もありますが、繊細さゆえに強みとして活かすこともできます。

HSPについて研究なされているコートニー・マルケサーニさん著書の『「繊細さん」の4つの才能』によると、下記の4つが才能として挙げられています。

  1. 高い共感力(エンパス)
  2. 鋭い直観力(インテュイティブ)
  3. 優れた視覚力(ビジョナリー)
  4. 豊かな表現力(エクスプレッシブ)

1つずつ細かく見ていきましょう。

①高い共感力(エンパス)

1つ目の才能は「高い共感力(エンパス)」です。
高い共感力を持つことが特徴と言われている「共感型HSP(エンパス)」は感情を読み取る能力に長けているため、人に対する思いやりが強く、他人の本音を引き出したりすることが得意です。

感情を読み取る能力に長けているため、人に対する思いやりが強く、他人の本音を引き出したりすることが得意です。
その一方で、他人のネガティブな感情に大きく影響されるため、人につかれている嘘や人が感じている悲しい感情や絶望感などにも敏感です。

人の感情を自分の中に取り込んで、自分のものとして処理することがあると言われています。
そのため、周りの人から受けた動揺やネガティブな感情に影響され、ストレスレベルが高くなってしまうと、集中力の低下や落ち着きを失い、そわそわとした落ち着かないような態度に出てしまう傾向があります。

時には、緊張感が自身の体に出て、声が大きくなったり、身振りが大きくなるといった普段とは違うケースもあり、精神的ダメージを受けやすいので、摂食障害や睡眠障害、体重増加、不安症に陥ることがあると言われています。
つまり、自分と他人の感情を区別できるようになることが重要なポイントとなってきます。

②鋭い直観力

2つ目の才能は「鋭い直観力(インテュイティブ)」です。
鋭い直視力を特徴としている「直感型HSP(インテュイティブ)」は物事の手がかりやサインを見逃さず、その中でも重要な情報を感じ取ることが得意
です。

普通の人なら見逃してしまいそうなちょっとした情報でも、感知することができるのです。
とても優れた視覚能力なので、物事の関係性をよく把握しており、人のちょっとした表情やしぐさを鋭くキャッチすることができます。

また、論理的処理が行われるスピードよりも早く、情報の認識、追跡、解析ができてしまうので、必要な情報が即座に残り、正確で素早い決断をすることができるのです。
そのため、外界で何かが起きる前に、その事象を見たり、聞いたり、観察したりできるのです。この現象は未来の出来事がビジョンや画像で見える予知能力として現れることもあるようです。

③優れた視覚力

3つ目の才能は「優れた視覚力(ビジョナリー)」です。
優れた視覚力を特徴とする「視覚型HSP(ビジョナリー)」は視覚や視空間認知力が鋭いため、様々なことに気づきます

世の中をホログラム映像のように捉えることができるので、多面的な角度から物事を見ることができ、見た形状や空間を細かく把握して分析することもできます。また、目で見た情報だけでなく、夢の内容を驚くほど正確で詳細に覚えていることもあります。

一方で、自分の意識と体が分離したように感じられる状態や、頭がぼーっとするトランス状態になってしまうことがあります。周囲からサポートを得られないと悔しさ、憂鬱感、怒りや孤独感などを抱くため外の世界と視覚的なズレを感じた時こそ社会と繋がる必要があると言われています。

④豊かな表現力

4つ目の才能は「豊かな表現力(エクスプレッシブ)」です。
豊かな表現力が特徴といわてれいる「表現型HSP(エクスプレッシブ)」は感情を読み取る能力、言語処理の速さ、優れた審美眼等の特性とされているので、自分の感じた感情を明確な言葉に表現して情熱的に伝えるクリエイティブさがあります

大胆な発想や強い感情を高い芸術力によって伝えることがで切るので、才能を生かし他人を惹きつける作品を作り上げることが得意なのです。

感じ取ったことを、物理的な表現手段を必要としているので、常に自己表現を行っていないと息苦しさを感じたり、無気力になったりします。 さらに常に生きることに対する意味や哲学を深く追及するため人生そのものに欲求不満を普通の人より感じやすいのです。

ここまでで4つの才能をお伝えしてきましたが、各才能には優れていることがある反面、とても負担になってしまっていることもお伝えしてきました。
普通の人よりも脳によって多くの情報が処理されることから、感覚や刺激などを受け、自らの脳内処理の限界を超えているように感じてしまう可能性もあります。

また、繊細さのせいで他者からの拒絶を強く恐れることから自身の行動や発言を後悔し、周りの人が気にしていなくても、考えて落ち込んでしまうことがあります。ただ、こういったマイナスな点は、特性を理解することとトレーニングによって克服することができ、この特別な才能の恩恵を受けることができるのです。

敏感さや繊細さに傷つけられるのではなく、HSPならではの特徴を活かして武器にしたいですね。より深くHSPのことを知ることで、向いている作業や仕事などもわかってくるので参考にしてみてください。

HSP診断

(準備中)

おわりに

以上、HSPの特徴や診断を紹介してきました。
「自分がHSPである、HSP気質がある」と分かるだけでも、漠然と悩んでいたものが少しスッキリしますよね。
HSPについて理解を深めることで、自分が苦手とする部分や強みを発揮できる部分が分かり、より生きやすい世界が作れると思います。当Webサイトではいろんな観点でHSPについて情報発信しているので、ぜひご参考いただければ幸いです。

また冒頭にも述べましたが、HSPの傾向と聞いて「私は病気ではなくHSPである」と判断しないようにご注意ください。
(※なんらかの発達障害や精神疾患の可能性のある場合は、正しく治療を受けていただきたく、情報の一つとして受け止めていただければ幸いです。)

オンラインショップではHSPの回復アイテムと称し、リラックスできる商品(自律神経を整える)をご用意しています。
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この記事を書いた人

HSS型HSP。MBTIはINFJ。「Humble Symphony合同会社」の代表として、HSPが生きやすい世界を作ることをミッションに生きてます。

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