「そろそろ寝よう」と布団に入ったはずなのに、次々と頭の中に思考が浮かんできて止まらない。そんな眠れない夜を過ごしたことがあるHSPさんは多いのではないでしょうか。人とのやり取りを振り返ったり、明日の予定をシミュレーションしたり…気づけば深夜になっていた、なんてことも。
本記事では、そんな「寝る前のひとり会議」が止まらないHSPさんに向けて、少しでも気持ちを落ち着けて眠りやすくなるための具体的な方法をご紹介します。
(そもそもHSPとは何か知りたい方は「HSPとは」の記事をお読みください)
HSPさんが夜にひとり会議を始めてしまう理由
HSPさんは刺激に敏感で、日中に受けた情報や感情を深く処理しようとする傾向があります。それは非常に素晴らしい力なのですが、夜になるとその力が裏目に出てしまうことがあります。
たとえばこんなことを、寝る直前に考えていませんか?
- 今日の会話、あれでよかったのかな…
- あの人の表情、もしかして気を悪くした?
- 明日の予定、大丈夫かな。準備は足りてるかな?
このような思考が、静かな夜になると一気に押し寄せてくるのです。日中は周囲の音ややるべきことで気が紛れているHSPさんも、夜は自分の内面と向き合いやすくなり、頭の中で“ひとり会議”が始まりやすくなります。
思考のループを断ち切るための具体的な対処法
では、どうすればそのひとり会議から抜け出せるのでしょうか?ここではHSPさんがすぐに実践できる方法をご紹介します。
書き出して頭の中を「見える化」する
思考が止まらないときは、頭の中だけで考え続けるのではなく、紙に書き出してみるのがおすすめです。箇条書きで構いません。ポイントは「丁寧に整理すること」ではなく、「とにかく全部出してしまうこと」です。嬉しい事も不満も全て書き出してしまいましょう。
書いてみると、思った以上に自分が抱えていたことが明確になり、「考える必要のないことだった」と気づける場合もあるかもしれません。
「今は考えなくていい」と自分に言い聞かせる
HSPさんは「今すぐ答えを出そう」としがちです。でも、夜は思考がネガティブに傾きやすく、解決策も出にくい時間帯です。
そんなときは、次のように自分に語りかけてみてください。
- 今は考える時間じゃないから、朝にしよう
- 眠ったあとで考えたほうが、きっといい答えが出る
- 考えるのは得意だけど、休むことも大事
こうした自己対話で、思考のスイッチを一時的にオフにする訓練をやってみましょう。HSPさんにとって脳を休める時間はとても大事です。ループする思考を止めて、早めに入眠できるようにしましょう。
呼吸に集中して「今ここ」に意識を戻す
マインドフルネスの考え方を取り入れるのも効果的です。頭がぐるぐるしているときは、深くゆっくりと呼吸してみましょう。私が行っている「478呼吸法」もご紹介します。
やり方は次の通りです。
- 4秒かけて鼻から息を吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒かけて口から息を吐く
この呼吸法を3回ほど繰り返すだけで、少しずつ頭の中のざわつきが落ち着いていくことがあります。
自分にやさしく声をかける
HSPさんは自分に厳しい一面があります。「また考えすぎてる」「こんなことで悩むなんて…」と、自分を責めてしまうことも少なくありません。
そんなときこそ、やさしい言葉を自分に向けてください。
- 考えすぎてしまうのは、それだけ優しいから
- 今はもう十分がんばったよ
- 大丈夫、明日また考えればいい
このようなセルフケアの習慣が、心をやわらかく保ってくれます。
入眠儀式を習慣化する
毎晩同じ行動をすることで、脳に「もうすぐ寝る時間だ」と教えることができます。おすすめのルーティンは以下のようなものです。
- 簡単なストレッチやヨガ
- 温かいハーブティーを飲む
- アロマを焚く
- 好きな音楽や自然音を流す
- 紙の本を数ページだけ読む
このように、五感にやさしい刺激を与えることが、思考の切り替えに役立ちます。HSPさんにおすすめのアロマを解説した記事があるので是非ご覧ください。

続いて、HSPさんが寝る前にやらないほうがいいNG行動を見ていきましょう。
やらないほうがいいNG行動
つい無意識にやってしまいがちですが、次のような行動は思考のループを悪化させる原因になります。
- スマートフォンをいじる(特にSNSや検索)
- 悩みの答えをネットで探そうとする
- 無理に「考えるのをやめよう」とする
- 自分を責めるような言葉を心の中で繰り返す
こうした行動は、脳をさらに活性化させてしまうので、避けるようにしましょう。いつもの睡眠時間になったら電気を消して布団に入るという流れをルーティン化しましょう。
まとめ|考えすぎてしまうのは、あなたが優しいからです
HSPさんにとって「寝る前のひとり会議」は、自然な心の動きです。それは、周囲や自分を大切に思う気持ちの表れでもあります。無理に止めようとせず、「どうすれば今日の自分をそっと休ませてあげられるか?」という視点を持ってみてください。
ひとつでも、自分に合う方法が見つかれば、眠る前の時間が少しやさしく感じられるはずです。思考を抱えながらも、自分にやさしく寄り添って眠れるHSPさんが増えることを願っています。
HSPの社会人。散歩やゲーム実況を見るのが好き。
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