「どうしてみんな楽しそうなのに、自分はしんどくなってしまうのだろう」
学校行事のたびにそう感じてしまうHSP学生さんは少なくありません。運動会や修学旅行、文化祭など、学生生活にはさまざまなイベントがありますが、それらは時にHSPさんにとって大きなストレス源になることがあります。
この記事では、HSP学生さんが苦手と感じやすい学校行事を10個ご紹介しながら、その理由や心の負担を軽くする工夫についてもお伝えします。
学校行事がしんどく感じるのはHSPさんの特徴によるものです
HSP(Highly Sensitive Person)さんは、刺激に対して敏感に反応しやすい気質をもっています。
以下のような特徴があるといわれています。
- 周囲の感情や雰囲気を敏感に感じ取る
- 大きな音や強い光、にぎやかな場所が苦手
- 人とのトラブルや競争を避けたいと思う
- 感情が揺さぶられやすく、心が疲れやすい
- 一人の時間を大切にしたい
これらの特徴は、学校というにぎやかで集団行動の多い場所では、どうしても「生きづらさ」や「違和感」につながってしまうことがあります。とくに、非日常的な学校行事は、その特性が強く出やすいタイミングです。
HSP学生さんが苦手に感じやすい学校行事10選
それでは、HSP学生さんが「苦手かもしれない」と感じやすい行事を紹介します。なぜしんどくなるのかという理由もあわせてご覧ください。
1. 体育祭
- 大きな声援や応援の音が刺激になりやすい
- クラス対抗などの競争がプレッシャーになる
- 人前で注目されることが緊張につながる
2. 合唱コンクール
- 大勢の前で歌うという状況に強い不安を感じる
- 他の人の音程や声に過敏に反応してしまう
- 周囲と「足並みを揃える」ことに神経を使いすぎる
- 自分の歌が周りからどう思われるか気になってしまう
3. 修学旅行
- 長時間の集団行動で気を張り続けてしまう
- 寝る場所や生活リズムの変化に敏感
- 自由時間のグループ行動で人間関係に疲れる
4. 委員会や係活動の発表
- 人前で話すことに強い緊張を感じる
- 責任感が強く、完璧にやろうとしすぎてしまう
- 周囲からの評価を過剰に気にしてしまう
- やるからには完璧にこなそうと考えて疲れてしまう
5. 避難訓練
- サイレンや突然の号令などの音に過剰に反応する
- 非日常の緊張感で心が張り詰めてしまう
- 周囲の慌ただしさや焦りの雰囲気に飲まれやすい
6. 授業参観・公開授業
- 保護者や先生が見ている状況に緊張しやすい
- 普段通りに振る舞えず、違和感を覚える
- 自分への視線や空気に敏感に反応してしまう
7. 文化祭
- 準備段階の話し合いや作業が苦手
- 当日のにぎやかさや人混みによる刺激で疲れやすい
- 自由に過ごしにくく、居場所がなく感じてしまうことも
8. クラス替え後の歓迎会やレクリエーション
- 初対面の人との関わりがストレスに
- 「盛り上がることが正解」という雰囲気に戸惑う
- 一人で静かにいたくても「輪に入らなきゃ」と無理してしまう
- 周りからどう思われているかを考えてしまう
9. スポーツ大会
- 体育が苦手だと参加すること自体が憂うつ
- チーム戦で失敗すると罪悪感を抱きやすい
- 勝ち負けに敏感で、空気の変化にも疲れやすい
- 誰かに自分のことを「運動音痴」と思われていないか気になる
10. 卒業式や終業式
- 感情が高ぶりやすく、涙をこらえるのが苦しい
- 周囲の感情に強く影響を受けてしまう
- 「区切り」の空気感に心がついていかない
- 卒業証書を受け取るために視線を浴びるのが嫌になる
自分を責めずに「苦手」を受け入れることも大切です
「なんで自分だけつらいんだろう」と感じたことがあるHSP学生さんは多いかもしれません。でもそれは、「感受性が強い」という個性ゆえの反応です。まわりと違う感じ方をするからといって、あなたがおかしいわけではありません。
大切なのは、自分の「しんどさ」に正直になることです。そして、「つらい」と感じたらそれを無理に否定せず、まずは認めてあげましょう。
学校行事を少しでもラクに乗り越えるためにできること
すべての行事を楽しめなくても、すべて完璧にやりきらなくても大丈夫です。HSPさんの特性を理解したうえで、できる範囲で自分を守る方法を考えていきましょう。
- 行事の日程や内容を事前に知って、心の準備をしておく
- 騒がしい場面では、目を閉じて深呼吸をしてみる
- 無理な場面では、保健室やトイレなどで少し離れる勇気をもつ
- 信頼できる先生や友達に「少し苦手」と伝えておく
- 家に帰ったらしっかり休む。ひとり時間で心を落ち着かせる
これらは大げさな対処法ではありません。HSPさんにとっては、こうした「ちょっとした準備」が心を守る大きな力になります。
まとめ|行事が苦手でも、あなたにはあなたのペースがあります
HSP学生さんにとって、学校行事は楽しさよりも「しんどさ」を感じやすいものかもしれません。でもそれは、感受性の豊かさや、人に対するやさしさの裏返しでもあります。
無理に合わせようとしなくてもいいし、苦手なことがあっても問題ありません。あなたの感じ方には意味があります。そして、あなたにはあなたのペースがあります。
どうか自分を責めず、少しずつ「自分らしい過ごし方」を見つけていってくださいね。

HSPの社会人。散歩やゲーム実況を見るのが好き。