「どっちを選べばいいのか、いつも迷ってしまう」「決めたあとも“本当にこれで良かったのかな”と考え続けてしまう」。そんなふうに感じるHSPさんは多いのではないでしょうか。
繊細な心を持つHSPさんは、物事を慎重に考えるあまり、決断に時間がかかったり、人に合わせすぎてしまうことがあります。しかし、その優柔不断さには、HSPさんならではの深い思考や思いやりが関係しています。
この記事では、HSPさんが優柔不断になりやすい理由と、少しずつ自分の判断を信じられるようになるための考え方を紹介します。
(そもそもHSPとは何か知りたい方は「HSPとは」の記事をお読みください)
HSPさんが優柔不断になりやすい理由
HSPさんは、もともと感受性が高く、他人の気持ちや周囲の空気を敏感に感じ取る傾向があります。
そのため、決断を迫られたときに「相手を傷つけないかな」「間違った選択をしたらどうしよう」と、さまざまな可能性を考えすぎてしまうのです。
たとえば、友人に「どこに行きたい?」と聞かれても、相手の気分や好みを察して「私はどっちでもいいよ」と言ってしまうことはありませんか。
それは、相手を思いやる気持ちの表れでもありますが、自分の本音を後回しにしてしまう原因にもなります。
HSPさんは以下のような理由から、優柔不断になりやすい傾向があります。
HSPさんが優柔不断になる主な理由
- 他人の感情に影響されやすい:相手の喜びや不安を自分のことのように感じ取ってしまう。
- 失敗への恐れが強い:「もし間違えたら」と考え、リスクを避けようとする。
- 完璧主義の傾向がある:100点の答えを探そうとし、行動を止めてしまう。
- 感情と思考が深く結びついている:気持ちの揺れが判断にも影響しやすい。
こうした特徴は「決められない弱さ」ではなく、「深く考える誠実さ」でもあります。
ただ、いつも自分を後回しにしてしまうと、心が疲れてしまうこともあるでしょう。
優柔不断はHSPさんの防衛反応でもある
「どうして自分はいつも迷ってばかりなんだろう」と感じるHSPさんもいるかもしれません。
けれど、その優柔不断さは、実は心を守るための自然な反応でもあります。
HSPさんは過去の経験を細かく記憶し、同じ失敗を繰り返さないように注意深く行動します。
たとえば、以前の選択で人間関係がこじれた経験があると、「また同じことが起きるかもしれない」と無意識にブレーキをかけてしまうのです。
つまり、迷うことは「自分を守ろう」とする防衛本能でもあります。
また、HSPさんの優柔不断さには「安全でいたい」「安心したい」という欲求も隠れています。人よりも刺激を受けやすい分、不安を感じやすく、安定を求める気持ちが強くなるのです。
迷うことを「悪いこと」と決めつける必要はありません。それは、あなたの中の“やさしさ”や“慎重さ”が働いている証拠でもあるのです。
HSPさんが決められないときに陥りやすい思考パターン
HSPさんは頭の中でたくさんのシナリオを思い描くため、判断に迷うことがあります。
そんなとき、どんな考え方に陥りやすいのでしょうか。
HSPさんが陥りやすい思考パターン
「どちらを選んでも後悔しそう」
どちらの選択にもデメリットを感じ、「完璧な答え」を探してしまう。
結果、決断を先延ばしにしてしまうことがあります。
「相手をがっかりさせたくない」
相手の気持ちを優先するあまり、自分の意見を引っ込めてしまう。
あとで「本当はこうしたかったのに」と後悔することも。
「正しい答えを出さなければいけない」
HSPさんは「間違い=自分の価値が下がる」と感じやすい傾向があります。
そのため、完璧に正しい判断を求めすぎて、決断する勇気が持てなくなるのです。
こうした思考の背景には、HSPさん特有の誠実さや責任感があります。
「自分の選択で誰かを傷つけたくない」という優しさが、迷いを生んでいるのです。
HSPさんが優柔不断を軽くするための考え方
迷いやすい自分を変えたいとき、無理に「もっと即決できる人になろう」と思う必要はありません。大切なのは、“HSPさんらしい決断の仕方”を見つけることです。
1. 「どちらを選んでも100点ではない」と知る
人生の選択に“完璧な答え”は存在しません。
どちらを選んでも、メリットもデメリットもあるのが自然です。
HSPさんはつい「最善」を求めてしまいますが、「その時の自分にとってのベスト」を選べば十分です。
2. 「正しさ」よりも「納得感」で選ぶ
他人にとっての正解よりも、自分が納得できる選択を優先しましょう。
「今の自分が一番落ち着くのはどっち?」と問いかけてみると、少しずつ自分軸を感じられます。
3. 小さな選択で“自己信頼”を育てる
HSPさんは、自分の感覚を信じる練習を重ねることで、決断力を少しずつ育てられます。
たとえば、
- 今日のランチを自分で選ぶ
- 新しい服を直感で選んでみる
- 迷ったら“より安心できる方”を選ぶ
こうした小さな選択の積み重ねが、やがて大きな判断の支えになります。
4. 「選び直してもいい」と思う
HSPさんは一度決めたら「間違えたらどうしよう」と不安になることがあります。
でも、どんな選択も“修正可能”です。
「やってみて違うと思えば変えればいい」と思えると、気持ちが軽くなります。
HSPさんは決められない自分を受け入れることから始めよう
HSPさんにとって、決断はエネルギーを多く使う行為です。
人よりも深く考える分、迷いが生じやすいのは自然なことです。「どうして自分はこんなに決められないんだろう」と責めるより、「それだけ丁寧に生きているんだ」と受けとめてみてください。
また、迷うことには意味があります。
それは「自分にとって何が大切か」を見つめ直す時間でもあるのです。
焦らず、自分のペースで決めていけば大丈夫です。
他人と比べて即決できなくても、あなたの中には「深く考える力」「人を思いやる力」があります。
その慎重さや優しさこそが、HSPさんの魅力です。
まとめ|優柔不断な自分も、HSPさんの大切な一部です
HSPさんが優柔不断になりやすいのは、感受性が高く、他人の気持ちに寄り添えるからです。迷うのは「自分を守ろうとする心の反応」であり、「誠実に生きようとする姿勢」でもあります。
少しずつ自分の感覚を信じ、納得できる選択を積み重ねていくことで、“自分軸”は育っていきます。
決断に時間がかかっても大丈夫です。
その慎重さと優しさは、HSPさんらしい強さでもあります。
どうか「優柔不断な自分」を責めず、やさしく受け入れてあげてください。

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